栃木県日光市に本拠地を構えるアイスバックス(プロアイスホッケーチーム)の試合を見てきた。アイスホッケーを見るのは初めてだったが、普段見ているサッカーとはいろいろな面で異なっていので、それらをまとめながら紹介していく。
基本情報
日本にはアイスホッケーのプロリーグがある。国内の4チーム、韓国1チームの5チームでリーグ戦を行う。2024-2025シーズンの参加チームは以下のとおり。
- レッドイーグルス北海道
- 東北フリーブレイズ
- H.C.栃木日光アイスバックス
- 横浜GRITS
- HL アニャンアイスホッケークラブ(韓国)
シーズンは9月に始まり、プレーオフを含めて4月に終わる。スケジュールはこちら。
創立が2003年と他の競技に比べて歴史は浅く、参加チームやレギュレーションも毎年変更がある。もっと詳しく知りたい人はWikipediaを見て欲しい。
チケットの購入
チケットは公式HPから購入できる(アイスバックスのチケット購入ページはこちら)。
手順通り進んでいけば特に迷うこともないので、他のスポーツイベントなどでチケットを買った経験があればまったく問題ないはず。
ぜひサッカーでも導入して欲しいと思った特徴が、チケットの発券を会場で行えること。チケット購入の段階で「会場での発券」を選ぶことができる。
実際に会場に行くとチケット発券ブースがある。QRコードをかざすとチケットが出てくる。隣のチケット売り場ではおそらく当日券の販売をしていたと思う。試合後には次回のチケットを購入する人を見かけた。
実際のチケットがこんな感じ。
サッカーの方が、というかコンビニで発券されるチケットの方がチケット感があっていいとは思うが、事前にコンビニなどに寄らなくて良いのが非常に楽。だったら電子チケットでいいじゃないという声も聞こえてくるが、記念になる紙チケットもやっぱり捨てがたい。
Jリーグでこれを導入するには来場者が多すぎて難しいと思うが、ファンクラブ限定とかで始まったら嬉しい。
スタジアム
外側
スタジアムの外観はこんな感じ。非常にコンパクトで、バスケのアリーナと同じくらいの規模に感じた。入場口前にロビーのような場所があり、そこには選手の登りが並んでいた。サッカーだと外にあるが、いつも中なのか、この日が雨だったから中にあったのかは不明。
外では、スタグルの販売もあった。数は少ないがあるのは嬉しい。今回はケバブのキッチンカーでケバブサンドとポテトを購入。サンドは辛さが選べる。中辛を選んだがなかなかに辛くて美味しかった。これで(たしか)500円は嬉しい。
内側
会場の中はこんな感じ。ゴール裏になる部分にはネットがかかっている。試合を見ていて思ったが、パック(試合で打ち合うあれ)が結構な勢いで飛んでくるのでネットがないと危険。スタンド方向に飛んでいった時には野球のファールボールのときのようなアナウンスが流れる。
日本国旗と韓国旗が掲げられていた。
横から見るとこんな感じ。私の座席は全体の中段あたりだったが、会場がコンパクトなこともあり、全体が見やすかった。
アイスホッケーは壁際でのプレーも多かったため、手前側の壁際でのプレーは見ることができない。サッカーを見ていても反対側ライン際やコーナー付近は全然見えないことがあるがそれと同じ。
応援はどんなもんかと思っていたら、バックスタンドの奥側(ホーム側)で音頭をとって応援する人たちがいた。サッカーのゴール裏、野球の外野スタンドのようにどの競技でもだいたい応援団はいる。そう考えると、バスケは特定の場所ではなくアリーナ全体で応援している感じがするなあとふと思い出した。
グッズ売り場もある。座席から行きやすい距離なので嬉しい。ユニフォームを着ている人も結構多かった印象。ユニフォームが大きいため、アメフト感がある。厚着した上からでも着れるのは良いと思う。サッカーのユニフォームはサイズ選びが難しいのが難点。
マッチデープログラムも配布された。こういうのがあると初心者にはありがたい。最近はデジタル配信も多いが紙の方が見やすい。
スタジアム内での注目ポイント
屋根があるって最高
アイスリンクが会場だから当たり前だが屋根がある。屋根があるということは雨が降っても影響は何もない。当たり前のことだが、ふだんサッカー観戦ばかりしていると天気の影響をもろに受けるので、いつでも同じ状態で試合が見られるのは羨ましい。
サッカーは芝育成の都合なのか全体を覆う屋根はない。しかし、そろそろドーム式のスタジアムができてもいいんじゃないかと思う。
現に札幌ドームは移動式の芝で対応できているのだから。
思っていた以上に寒い
観戦を決めたときに一番に疑問に思ったことが「会場内って寒いの?」だ。結論を言うと寒い。
一応長袖長ズボンで上着を持って行ったが、ダウンや膝掛けをしている人も多く、それが正しいと思った。
ホームページの注意書きにも書いてあるので信じて用意しておけばよかったと後悔した。正直、最後の「笑」は冗談ぽく感じてしまうのでいらないと思う。
椅子が綺麗でヒーティングシステムもある
屋内の競技場なだけあって座席は綺麗。
下にある白いのはヒーティングシステムっぽくて、今回は作動していなかったと思うが、もっと寒くなったら暖房が機能するのかもしれない。
荷物が少なくなる
これは天気の対策をしなくていいからなのだけど、サッカーに比べて持っていくものが少ない。
雨が降るかもしれないから傘、かっぱ、着替え、ゴミ袋。
日差しや暑さがきついかもしれないからタオル、汗拭きシート、サングラス。
寒かったら嫌だからブランケット、ユニフォームを上から着たいから薄手の防寒着も用意しないと。
まあ、こんな感じで荷物は増える。防寒に関してはアイスホッケーは常に必要になりそうだけど、それだけの準備の良いのはありがたい。
と、ここまで考えると、サッカー観戦ってハードだなあ。
試合を見た感想
試合前の演出はバスケ感
試合前には会場が暗転したり、チアリーダーのダンスがあったりバスケ感が強かった。
交代が頻繁にある
アイスホッケーは22人の登録メンバーがいて、そのうちフィールドプレイヤー5人+ゴールキーパー1人が出場できる。ちなみにキーパーはゴーリーというらしく、装備がロボット感がありかっこいい。
1人の連続プレー時間は45秒が限界らしく、どんどん選手が入れかわる。あれだけ入れ替わりがあるのに交代のミスがないのはすごいと思う。何かのタイミングで両チーム全ての選手が変わる(ように見えた)タイミングがあって、そこで交錯することもない。
ちなみに、アイスバックスは数回ゴーリーを下げてフィールドプレイヤーを増やすことをしていた。
サッカーでいう終了間際のコーナーキックにGKが上がっていくようなイメージだった。もちろんリスクもあって、アイスバックスはガラ空きのゴールに合計3点くらい決められていた。正直、やる意味はあまりない。
それはファールでは?
アイスホッケーは氷上の格闘技というらしいが、確かにそうだった。というか、もうそれはファールなんじゃないんですか?という接触が多い。
相手を壁に挟むようにタックルしてたけどそれはいいんですか、とずっと思いながら見ていた。たまにファールがあって、対象選手は規定の時間フィールド外に出ていた。でも、全部ファールに見えるから何が対象のファールだったのか素人にはわからない。
これに比べるとサッカー選手は些細なことで倒れすぎとも思った。町田ゼルビアやネイマールがコロコロ転がっているのは見ていられないだろう。
ちょうどいい具合で点が入る
今回の試合は3−6でアウェイ・HLアニャンが勝利したが、アイスバックスが捨て身の攻撃をしなければ2−3が妥当だったと思う。
プレー時間は20分×3回なので1ピリオドに1点くらいは入るのかなという印象。
得点が入れば、特にホームチームの得点は会場全体が盛り上がるので、とても楽しめた。
気になった選手
試合中、一際気になったのがアニャンの11番イ・ジュヒョン選手。
ハーランド風の長髪が特徴だが、プレーを見ていて惹きつけられるものがあった。アニャンは最多6回の優勝を誇るチームで、全体的にアイスバックスよりうまさや強さを感じた。アニャンの試合を見る機会があったらぜひ11番に注目して欲しい。
終わりに
まだまだ規模の小さいスポーツではあるが、試合の面白さは他のスポーツに負けているとは思わない。競技人口やできる地域が限定されるなど制限が多いことがネックだろうが、競技としてとても面白いと思う。
気になる人はぜひ近くのチームの試合に足を運んでほしい。私もまた行こうと思う。
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